
こんにちは。“兵庫県をさわやかにPRする”兵庫県広報専門員の米田裕美です。
気が付けばもう秋の気配を感じさせる空気が心地よい今日この頃。
今年の夏は、何となく夏本番!を感じられずに終わってしまうなぁと
切なくなっているのは私だけでしょうか。
そんな風に感じるのは、8月9日に兵庫県・岡山県を襲った台風9号によるところが
あるかもしれません。
先日、同僚の横山さんと一緒に災害ボランティアに参加してきましたので、
今回はそのご報告をさせていただきます。
8月9日夜。
その時、私は偶然にも佐用町からそれほど離れていない養父(やぶ)市にいました。
降り続く雨と防災無線から流れる水防指令のアナウンス。
不安な気持ちで一夜を過ごしたことを覚えています。
兵庫県北西部を襲撃したこの台風9号は、20人の尊い命を奪い、
約170の全壊を含む3000戸以上もの家屋に甚大な被害をもたらしました。
中でも特に被害が大きかったのが佐用町。
連日報道で伝えられる惨状に、私たちも何かできないかという気持ちが日に日に強くなりました。




そんな中、週末に運行された被災地支援ボランティアバスを利用して、
佐用町でボランティアに参加してきました。
佐用町に入って、バスの車窓から目に飛び込む景色が一変。
なぎ倒された収穫間近の稲穂。ぐにゃりと曲げられたフェンス。崩れ落ちた橋、橋、橋。
佐用の代名詞とも言える牧歌的な風景の端々に残る台風の傷跡に、
バスの中も静まり返ったまま。

この日は中学校を含む8団体265名が、個人では約80人がボランティアに参加していました。
まず、社会福祉協議会によって開設された災害ボランティアセンターに集合した後、
現地の要望にそってチームが編成されます。
私たちのチームは男性3人女性4人、派遣されたのは個人の住宅です。
2週間が経ち、家の中の床板はあげられ、家具なども動かされた状態だったので、
私たちは主に家財道具の洗浄作業を手伝いました。
被災地に足を運ぶと、テレビでは伝わってこない現実がわかります。
例えば泥。胸の高さまであふれた泥水は当然ながら“全てのもの”を飲み込みます。
泥にまみれたその全てのもの、食器や靴、物置の工具やゴルフ道具などを一つ一つ洗って
乾かしても、泥はなかなか完全には落ちてくれません。
住居の片付けが終わっても、そういう細々とした、しかし膨大な作業が目の前にあります。
被災された方々にとって精神的にも肉体的にもつらく厳しい現実が続きます。


でも同時に、人のたくましさ、人と人とのつながりのありがたさを感じたことも事実です。
町を歩いても、どこを見ていいのか、どう声を掛けていいのかわからない中で、
逆に被災された方々が掛けてくださる「こんにちは~。よろしくお願いします」という声の力強さ。
以前、取材をさせてもらった地元商工会の方々による佐用町特産の鹿肉を使った“しかコロッケ”やカキ氷の炊き出し。
「カキ氷やから“炊き出し”じゃなくて“かき出し”やな(笑)」と私たちを和ませながら見せる“大変やけど頑張るわ!”というメッセージ。
また、名古屋や新潟から手伝いに来られた社会福祉協議会の皆さんや
全国各地から参加されたボランティア、届けられた物資の数々。
そういった全てのことから私たち自身が元気をもらい、希望をもらい、
そして今後また起こりうる“災害”に対して私たちが出来ることは何?という宿題を
受け取った気がします。
一緒にボランティアで汗を流した横山さんの思いも合わせて紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回米田さんと一緒に、初めてボランティアに参加させて頂きました。
たった一人の力、たった一日の短いボランティアでできることは本当に小さなことでしたが、
現地に集まった力は大きなものになったのではないかと思います。
そして、被災地から離れている今、これから自分には何ができるのか。
一つには、今こうしている間も、どこかで災害が起きているかもしれない、
困っている人がいるかもしれない、そういうことを“想像すること”ではないかと思うんです。
それだけでも、これまでの自分とは違ってくる、そんな気がしています。
また、いつどこで起きてもおかしくない自然災害に、私たちは備えているでしょうか。
自分が感じたことを周りの人と共有し、行動することができているでしょうか。
全国の皆様からいただいた温かい応援に心より感謝しつつ・・・
いつも自分に問いていきたいと思っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私たち広報専門員が広報という立場で出来る支援、一人の人として出来る支援、
支援のあり方は違いますが、この経験を今後につなげていくことが、
被災地の思いを届けることに他なりません。
また、元気になった佐用町の姿をこちらのブログでリポートしますので、
皆さん心待ちにしていてください!
最後になりましたが、ご支援を頂いた全国の皆さんにこの場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました。
台風9号について
佐用町HP